VXXとVXZのペアトレードで2367ドルの利益を得た方法

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投稿者名:金森 雅人

VXXは毎年20%超の下落をし続けている銘柄です。よってVXXのショートポジションを持てば、毎年20%を超える利益を得ることができます。

よってショートポジションを保有し、維持し続けることが出来れば良いのですが、最大の課題はVXXが暴騰した時に資金不足に陥り、泣く泣くロスカット(=損切り)してしまうことです。

そこで、もしロスカットを防いでくれる仕組があれば、安心してVXXをショートして利益を上げることが可能だと思いませんか?

それには、「VXZ」をロングポジションで保有しペアトレードにすることが有効です。

私は2016年11月のトランプ大統領選挙で結果が出た11月7日に開始し、利食いした1月12日までに着実に利益が積みあがり、2367USDの利益が出ました。利回りは30%になりました。

VXZロングポジションを選んだ理由は、VXXのヘッジの役割となり最大損失額を軽減してくれるからです。

ヘッジポジションを保有しておけば、もしVXXが暴騰して損失が膨らんでもVXXが利益になることでトータルで損失が少なくなります。

よってロスカットすることなくドローダウンにも耐えることが出来るので、投資期間中に相場の変動があっても非常に安心して持ち続けることが出来ます。

この記事ではVXXとVXZをペアトレードにすることで実際に利益を上げた事例を紹介します。

あなたもVXXとVXZのペアトレードをマスターして利益を狙いましょう!

VXXとVXZのペアトレードで利益が増えていく

下記にこのトレードの経過をキャプチャしたので掲載します。

エントリーはVXXが29USD×500枚、VXZが35.4USD×412枚です。

11/18 VXX -40USD VXZ -75USD

11/25 VXX 580USD VXZ -182USD

12/1 VXX 25USD VXZ -9USD

12/8 VXX 1335USD VXZ -343USD

12/16 VXX 1680USD VXZ -351USD

12/23 VXX 2425USD VXZ -553USD

12/29 VXX 1985USD VXZ -450USD

1/6 VXX 3440USD VXZ -1212USD

1/11 VXX 3780USD VXZ -1414USD

このように着実に利益が積みあがりました。

利益÷使用した証拠金=利回り30%

最終的に利食いしたのはVXXが21.58USD、VXZが32.24USDでした。

投資による収入としては、

  • VXXは29USD→21.58USDへ下落したので7.42USD×500枚=3,710USDの利益となりました。
  • VXZは35.5USD→32.24USDへ下落したので3.26USD×412枚=1,343USDの損失となりました。

合計すると2,367USD=272,205円(1ドル115円換算)となりました。

手数料とコストについては、

  • 手数料:1銘柄あたり10USD×往復で20USD、よって両方で40USD=4,600円
  • CFD調達コスト:9,707円×2=19,400円
  • 貸株料:5,657円=11,200円

よって合計35,200円が取引の際のコストとなります。

この投資の期間で投下した資金としては、証拠金が合計約63万円でした。

よって利回りは約30%となりました。

投資した期間が11月7日から1月12日までだったので、約2ヶ月間で利回り30%、月利換算すると15%となりました。

VXZを使う利点は常にヘッジが効くから

VXXに対してVXZをペアトレードで保有することで、通常期にはVXXの減価の方が大きいため利益になります。

そしてもし万が一VXXが上昇して含み損となった時には、VXZが含み益になることで損失を軽減してくれます。

その理由はVXXは短期のVIX先物に連動した商品であり、VXZは中期のVIX先物に連動した商品だからです。この商品の特徴によって、VXXのほうが、VXZの値動きよりも早く減価していくことになります。

原資産となる「VIX指数」は1銘柄しかないので、このVIX指数に対して先物が生まれて、短期の先物と中期の先物との差がVXXとVXZの違いとなります。

でも原資産は一緒なので、方向は同じになります。

つまりVIXが上昇するとVXXも上昇し、VXZも上昇します。一方VIXが下落すると、VXXも下落し、VXZも下落します。

VIX指数 VXX VXZ
上昇する 上昇する 上昇する
下落する 下落する 下落する

VXXが下落してVXZが上昇するというねじれ現象は、過去のチャートを見てもほとんど起きていません。

ほとんどの期間でVXXとVXZが連動していることが分かり、しかもVXXの方が減価しやすい傾向があります。

だからVXXをショートして、ヘッジとしてVXZをロングすることで利益を狙えるのです。

VXZは完璧なヘッジではないからこそ採用する

このVXZは、VXXの完璧なヘッジではありませんのでVXXの含み損を全てカバーしませんが、相当程度軽減してくれます。

このような関連性が高い銘柄を両方保有することをペアトレードと呼び、日本の株式投資では日経225先物とTOPIX先物を使ったNT倍率などが有名です。

あまりに関連性が無い銘柄でペアトレードをしているとヘッジに機能を果たさないことがありますが、逆に関連性が強すぎても連動性がありすぎて利益が出ません。

そこでVXXとVXZは同じ「VIX指数」から派生している商品でありながら、株価の減価スピードが異なるところを利用するのです。

だからVXZをヘッジとして採用することにメリットがあります。

私の場合は、含み損がほとんど無く利食いすることができましたが、もしVXXからの損失が膨らんだとしてもVXZがその損失を軽減してくれるので、含み損があっても持ち続けることができるので安心感があります。

損切り注文の問題点は時間外の変動

あなたはここまで読んで、もしかすると「損切り注文をしておけば最大損失は有限になるため安心だ」と思うかもしれません。

確かにショートポジションを保有した状態で、取得価格と同じ価格で逆指値注文を発注しておけばロスカットが出来るでしょう。

しかしながら、ロスカットが発動するのは取引時間内のみです。

もし万が一取引時間外に大きな変動があると、逆指値注文の条件が成就しても寄り付きで大きく窓を開けて寄り付いてしまい、ロスカット注文を大きく上回る金額で約定する危険性があります。

例えば私が発注したような34ドルでVXXをショートしていて、逆指値注文として、36ドルになったら成り行き注文するという発注をしていたとします。

通常なら36ドルでロスカットになるため安心です。

しかし、もし土日に相場急変が起こり、月曜の寄り付きに40ドルで寄り付いた場合にはどうなるでしょうか。

逆指値注文は条件が成就しますが寄り付き価格の40ドルで決済されることになります。

このようにロスカットを思い通りに出来ない可能性があるのです。

2015年のチャイナショック、2016年のBrexitなどは、土日にイベントや不安要素が起きて、翌月曜に大きな変動がありました。

また、2016年11月7日にアメリカ大統領選挙でトランプ氏が勝利を確定したのは、日本時間の朝から11時ころにかけてでした。

このようにアメリカの市場がオープンしている平日の23:30~6:00までに変動が起きる保証はありません。

だから、時間外に起きる変動には逆指値注文は対応できないので常にヘッジが効いているポジションを持つ必要があるのです。

ヘッジポジションを必要経費として認識する

ペアトレードの肝は、ヘッジポジションを必要経費として受け入れることです。

なぜならリターンのレバレッジを掛けた分リスクもレバレッジが掛かっているからです。

決して「ヘッジポジションさえなければもっと利益が出たのに」と思ってはいけません。

ペアトレードを行うと、多くの方が「ヘッジポジションさえなければもっと利益が出たのに」ということを言います。

私の投資の事例で言うと、もしVXXだけショートしていたら、20万ではなく25万円の利益になっていた計算になりますが、このような考えは非常に危険です。

なぜなら、ヘッジポジションを持つことで安心してVXXを500枚ショートすることが出来たからです。もしVXZをヘッジとして持たない場合は、不安からVXXを100枚もショートすることは出来なかったかもしれません。

このように1/5のサイズで投資した場合は利益も1/5の4万円しか得られなかったことになります。

自分の許容できる売り枚数が500枚であれば500枚売っても問題ないですが、もし許容枚数が100枚しかないときに、500枚を裸で売ることは出来ないはずです。

そのような状況下でも最大限利益を上げる目的で売る枚数を増やすために、VXZを買うことでリスクを軽減してVXXの枚数を増やしているのです。

このことを忘れてはいけません。

もしヘッジポジションが無くてもVXXを500枚ショートできるなら、VXZが無いほうが利益は最大化するのは当然ですが、その場合はVXXは500枚だけではなく1000枚、1500枚と増やしてヘッジとしてVXZをロングポジションで保有したほうが、利益は最大化できることになります。

ペアトレードの肝は必ずセットで考えることです。
セットとして考えることが出来るから、VXXを500枚売ることが出来るのです。

つまりVXXにレバレッジをかけて取引するために、VXZはレバレッジを掛けた分のリスクを軽減するコストとなるわけです。

つまりVXZがなければVXXも500枚も取引は出来ない。

このように考えるのがペアトレードの肝です。

サクソバンク証券を利用したのは資金の有効活用

私は今回の投資をサクソバンク証券で行いました。

その理由は、できるだけ効率よく資金を運用し、利回りを高めるためです。

この投資の課題はVXXが上昇したときにドローダウンがあることなので、余剰資金が必要となります。

余剰資金を持って投資をするとどうしても利回りが低下するため、出来るだけ余剰資金を持たずに投資をしたかったため、銀オプションですでに資金を置いているサクソバンクで行うことが効率化につながるからです。

資金の有効活用するためには、銀オプション投資をするための余剰資金と、今回のVXX-VXZペアトレードで必要とする余剰資金を別々に満額持たないポートフォリオのほうが魅力的です。

私が手がけている銀オプションは満期までは余剰資金を寝かせておくだけなので、その間にVXX-VXZペアトレードのための余剰資金として活用しても問題ありません。

左図のバケツのように、VXX-VXZの証拠金が足りなくなれば継ぎ足すことができるし、銀オプションの証拠金が足りなくなれば同じバケツから継ぎ足すことが出来るのが同一証券会社を使うメリットです。

証拠金についてはLEAPS戦略の証拠金で詳しく解説しています。

このように資金の効率化を図ることが出来ます。

私の場合は銀オプションに投資する際に余剰資金を確保して行っていたために証拠金に余裕がありました。

サクソバンク証券では総合口座として大きなバケツがあり、その下にCFD口座と貴金属口座が分かれます。

各口座の余剰資金を合計して証拠金にすることはできませんが、証拠金が足りなくなりそうな場合は速やかに資金移動をして証拠金維持率を回復させることが出来るため、VXX-VXZ取引のための証拠金維持率を限界まで引き上げても不安はありませんでした。

証拠金使用率は90%から始めましたが、投資を続けると含み益が増えていき証拠金維持率が下がっていきます。

でも、もし万が一証拠金維持率がひっ迫しても、貴金属口座から引き出せば対応することが可能です。

このように資金効率を高めて戦うと効率的に利益を狙えるようになりますので、私はサクソバンク証券でVXX-VXZのペアトレードを行いました。

他の証券会社でもVXXとVXZを投資できる証券会社であればこの戦略は使えますが、私の銀オプションのように他のポートフォリオがすでにあって一括で管理できる証券会社や、証券会社内で資金を有効に使える投資先を選ぶのも重要なポイントです。

サクソバンク証券ならドル建てでも円決済

VXXもVXZもアメリカのETFなのでドル建てです。
サクソバンク証券でもドル建て資産を取引しますが、取引の都度為替レートで換算し日本円で取引が出来て両替の煩わしさがありません。

手数料や貸株料などの経費についても日本円で計算されていますし国内送金なので安心感があります。

国内の他の証券会社でも上場投資信託の1552(国債のVIX先物指数ETF)がありますが、この銘柄は信用売りになりますので逆日歩が発生する可能性があります。

しかも逆日歩の金額を予測することが出来ないため大きなリスクになります。

この逆日歩リスクが無いサクソバンク証券のCFDポジションが今回の投資には向いていると判断できます。

まとめ

VXXショートをする場合には、VXZをロングすると安心感があります。

ただし資金は余裕を持っておく必要があります。
なぜなら最大損失を軽減する効果はあっても、完璧なヘッジポジションではないからです。

サクソバンク証券なら、銀オプション投資を手がけながらVXX-VXZペアトレードをすることが出来るので資金効率が高められます。
サクソバンク証券内で貴金属口座に余剰資金があれば安心感は高まり、今回の月利15%の取引を実現することが出来ました。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
 

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