VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年12月14日(木)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQとも上昇しました。
3指標とも上昇しましたが、S&P500やNASDAQはチャートの形は天井を示しているかもしれません。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
VIXは昨日と同様です。
今日の夜はトリプルウォッチングなので波乱を懸念して1DAYは高止まりしているようです。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
先物プレミアムは変わりません。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
第1限月と第2限月の差も充分開いています。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スクイーズ状態も充分開いています。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
若干反応しましたがレンジは低いままです。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIXが下向きになりましたので改善傾向が見られます。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEWが急上昇しています。
SKEW/VIXレシオは上向きなので、通常は良いサインですが、VIXが下がりSKEWが緩やかに上がるのが理想です。
VIXが下がってSKEWが上がるのは上昇相場が続くサインですが、現在はバランスが崩れているようです。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
-1,500万枚を超える下落圧力がオプション側であり、機関投資家のコール売りが大量に出ているフローでした。
これはメジャー満期が集中したことに伴う(トリプルウィッチング)ポジション調整と思われます。
今回コール売りが多かったのは、1日の動きを見ると引けの1時間前に集中しており、満期銘柄に対してのポジションのロールや手仕舞いの動きだと思われます。
コール売りを組み込んだETFなどの商品のロールオーバーや手仕舞いと考えると、そのETFに対して買いを提供しているのが機関投資家です。
15日の満期にオプションを保有している場合は原資産を持たなければならないので、利益を確定する必要がありポジションを閉じたものと思われます。
ATMから-5%のところはITMコール買いの手仕舞い、ATMから5%のところはOTMコール買いをロールオーバーしたと考えれますが、もしかすると積極的なコール売りもあるのかもしれません。
上昇気流の中でプット売りとコール売りが上位に来れば平常の形と言えますが、今回の形が示す市場の転換点になる可能性を否定できないと考えます。
まとめ
SKEWが急上昇しているのが気になりますが、他の指標は特に目立った異変は無いようです。