VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年5月26日(金)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウ、S&P500、NASDAQは上昇しました。
債務上限問題が解決に向かっていることが好感されたようです。
S&P500は何度か跳ね返された4,200ドルを超えました。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の位置関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフです。青が最新日を示しています。
前日の赤に対して、9DAY、VIX、VIX3Mとも下げましたが、1DAYは反応しました。
これは月曜の市場休場の影響があるのでしょうか。
VIXタームストラクチャー
コンタンゴ率は7.84%と開いてきました。
コンタンゴチャート
VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー
指数と先物の位置関係を示すグラフです。
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
水曜日の下落の際には幅が縮まりましたが、今回はまた開いてきました。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.88と、0.9の節目を割ってきました。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオは短期的に見るとS&P500と逆相関になりました。
昨日の上昇の割にはVVIX/VIXレシオは反応していないようです。
VVIX単体はVIXと同様に落ち着いてきました。
移動平均で見ているため短期的な上げ下げには反応しませんが、昨日の上昇の割にはVVIX/VIXレシオは反応していません。
VVIXの移動平均レベルではまだ上向きが継続してVVIX/VIXレシオが下げているので、昨日の上昇で積極的に買いに行くのは難しいのではないでしょうか。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
VIXが下がりSKEWが上がり、SKEW/VIXレシオが上昇ました。
SKEWが上がったからと言ってブラックスワンリスクで上がっているのではなく、VIXが低下したことによるものと思われます。
SKEW/VIXレシオのバランスは移動平均を超えていますので改善しているのではないでしょうか。
MOVE指数
債券のボラティリティを示すMOVE指数です。
独自に作成した米国債イールドカーブを時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
今回特筆すべき点はフローの中身でプット買いが上位に来ている点です。
上位の取引高でアウトオブザマネーの30日満期物のプットが買われています。
週末要因(今回は3連休)として株のロングポジションを下落ヘッジのために抑えているのでしょうか。
プット買いが多いからと言って下落を見込んでいるということはないでしょう。
あるいはプット売りの外側にプット買いを入れているのかもしれません。
まとめ
S&P500が4,200ドルの壁を越えたことにより、トレンドフォロー型で追従する投資判断もあるかもしれません。
ただしVIX関連の指標は改善しているので波に乗っていけるかと思いますが、VVIX/VIXレシオは平常時のバランスから崩れている点が気にかかるところです。