VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年9月27日(水)の米国市場の様子を分析しています。
米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)
NYダウは下落しましたが、S&P500、NASDAQとも若干ながら上昇しました。
長期金利の上昇によりさえない状況です。
NYダウ
S&P500
NASDAQ総合指数
VIX指数とVIX先物の関係
独自に作成したVIXタームストラクチャーを時系列に整理したグラフ
青が最新日を示しています。
9DAYとVIX(30日)の関係はバックワーデーションとなっています。
指数と先物の位置関係を示すグラフ
通常先物は指数の上にあることが望ましいですが、期間によっては先物ディスカウントとなっています。
VIX先物とVIX指数の位置関係、および第1第2限月の幅
コンタンゴ率は昨日より改善されました。
依然として第1限月と第2限月の差は縮まっており、期近のVIX先物が買われていることを示しています。
コンタンゴチャート
VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート
独自に作成したVIX指数タームストラクチャーのスクイーズチャートです。
スパイクまでにはいかきませんでした。このまま終わってくれれば良いのですが果たしてどうでしょうか。
VIX/VIX3Mレシオ
VX/VIX3Mレシオのグラフです。
0.95と昨日よりは改善したものの基準の0.9からは乖離しています。
VVIX/VIXレシオ
VIXオプションから算出されるVVIXとS&P500オプションから算出されるVIXの比率を計算したVVIX/VIXレシオです。
VVIX/VIXレシオは下落トレンドを示しています。
VVIXもVIXも上昇しているので、この2つのトレンドが下向きになるのを待つ状況です。
SKEW指数
SKEWとVIXの関係を示したSKEW/VIXレシオです。
SKEWとVIXのバランスは、良いときから比べるとバランスが悪い状態にあり、きれいな(典型的な)下落を示唆しています。
債券のボラティリティを示すMOVE指数
独自に作成した米国債イールドカーブ
時系列に整理しました。青が最新日です。
SPYのオーダーフロー
SPYのオーダーフローを分析します。
+4500万枚を超える株のロングポジション相当の圧力がオプション側でありました。
内容はプット売りです。
恐らくプット買いをしていた人が売却をしたものと思われます。
ブルームバーグにはJPモルガンが29日満期のオプションを大量に持っているという報道があります。
JPモルガンが大量に買っていたということは相手側のプット売りした人がいるため、彼らは株を売ることによってヘッジしなければならず、JPモルガンが持っているプットのせいで下落トレンドでも下げ圧力になるのではないかと考えます。
売っているポジションを守るためにはさらに売る必要があり、ボラタイルな展開となりやすい傾向があります。
29日ものはITMのプット買いの売却が多いですが、そのほかには10/20のITMのプット売りが大量に出ています。
もしITMのプット売りがデルタ1を引き出すためだとすれば、この辺りで相場の転換点になることを示しているのかもしれません。
このプットの売りが何を示しているか、今後も引き続き注視していきたいと思います。
まとめ
VIXの数字だけ見ると改善しているように見えますが、複合指標を分析すると下落の真っ只中と言えます。