【米国市況概況】4月26日 従来のVIXやVIX3M分析では見られない下落の兆候

  • VIX
投稿者名:守屋 史章  金森 雅人

VIXの様子を視覚的にわかりやすくした独自のVIX指数タームストラクチャースクイーズチャートや、VIX/VIX3Mレシオ、VVIX/VIXレシオ、MOVE指数、米国債金利等を用いて2023年4月26日(水)の米国市場の様子を分析しています。

 

 

米国株式市場概況(NYダウ、S&P500、ナスダック総合指数)

日本時間2023年4月25~4月26日朝の概況
NYダウとS&P500は続落、NASDAQは小幅上昇しました。
NYダウ

<TradingView提供のチャート>

S&P500

<TradingView提供のチャート>

NASDAQ総合指数

<TradingView提供のチャート>

VIX指数とVIX先物の位置関係

VIXは小幅上昇し、VIX9Dも高くなってきました。
コンタンゴ率は10%近くあり、VXXショート+VXZロングというポジションも取りやすい環境かもしれません。

<vixcentral提供のチャート>

コンタンゴチャートです。

<TradingView提供のチャート>

VIX各指数とVIX先物のタームストラクチャー

VIX9Dがバックワーデーション化しています。

<vixcentral提供のチャート>

タームストラクチャーは自前で作った指標ですが、1DAYを除くと昨日とほぼ変わりません。

24日から反応し始めているので、25日にはプット買いなど相場下落に備えておきたいところでした。

VIX指数タームストラクチャースクイーズチャート

昨年の5月11日からSPXの木曜満期物が登場したので、5月11日以降の指数が表示されるようになりました。

VIX1DAYが満期に一番近く反応の幅も大きいため、ヘッジ目的で利用されているのかもしれません。

0DTEを使った様々な戦略が研究されていますが、1日でスパイクが終了している特徴がありこれを生かすポジションも検討したいところです。

<TradingView提供のチャート>

VIX/VIX3Mレシオ

0.87と基準の0.9を割り込んでいるので安泰です。

<TradingView提供のチャート>

VVIX/VIXレシオ

上向いているので悪い上昇です。

VVIXの移動平均が上を向いていてVIXの移動平均は下がっている状態です。

VVIXに関しては4月20日や4月21日の時点で移動平均チャートに異変がありましたので、そのタイミングで今回の下落を察知できたかもしれません。

今は天井がいつ来てもおかしくない状況と言えます。

<TradingView提供のチャート>

SKEW指数

VIXが上がってSKEWが下がる逆相関であり、SKEW/VIXレシオを見ると逆相関が効いているときと効いていないときを判断できます。

相場が下落してSKEWも下落しVIXは上がりました。

よってSKEW/VIXレシオが下がりました

SKEW/VIXレシオは日足の生データが移動平均を割っているかを確認しており、今はデッドクロスしている状況です。

<TradingView提供のチャート>

MOVE指数

なかなか100を割らない状況が続いています。

<TradingView提供のチャート>

SPYのオーダーフロー

115万相当のロングポジションです。今回はプット売りが1番上に来ていました。

相場が下落したので逆張り的にプット売りをしているのでしょうか。

気になる点は5月19日満期のP424というインザマネーのプットオプションが売られています。

普段は5日以内の満期のオプションが多いのですが30日満期と長いオプションも取引されています。

<Marchet Cameleon提供>

まとめ

VIXタームストラクチャーは昨日と変わらずVIX3Mも反応していませんが、VVIX/VIXレシオは天井を示唆してSKEW/VIXレシオも悪くなっています。

VIXのみを観察する分析やVIX/VIX3Mを見て判断する従来の分析に対しては、今回の下落の反応が表れていないので、従来分析に加えてVVIXやSKEWという新しい視点を追加していく必要があると言えます。

 

 

 

 

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守屋 史章(もりや ふみあき)株式会社M&F ASSET ARCHITECT 代表取締役
【著者情報】
守屋 史章(もりや ふみあき)
株式会社M&F Asset Architect 代表取締役
オプショントレード普及協会 主宰
宮崎県出身。
慶應義塾大学法学部法律学科卒、同法学研究科修士課程修了

個人投資家として企業数社に投資し、ビジネスオーナーを務める傍ら、証券などへの投資をも手掛ける。投資におけるオプション取引を普及させることを目的に、金森雅人氏と共同でオプショントレード普及協会を設立。短期トレーディングから長期運用まで幅広い投資ニーズをかなえる資産運用を研究している。
「オプションについて話せる仲間が見つからない」という孤独になりがちな投資の研究と意見交換を行える会員制のメンバーシップを中心に、個人投資家目線だからこその目からウロコの独創的アイデアと分かりやすい解説で、「わかる」「できる」をサポート。
資産運用を始めたい方へのバックアップや資産運用教育セミナー等を定期的に開催し、手厚いサポートと実直さで幅広い層から支持を得ている。
JPX(日本取引所グループ)主催のセミナー講師として登壇多数。日本におけるオプション取引の草分け的存在。
 

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