デルタヘッジ戦略で+17000円の含み益を楽に出せた3つの理由

投稿者名:金森 雅人

オプション取引でポジティブガンマのデルタヘッジ戦略は、非常に気楽な戦略だということをご存知でしょうか?

日経225オプションを使ったポジティブガンマのデルタヘッジ戦略は、まるで「楽してチャリンチャリン稼げる」ような夢のような戦略で、しかも相場が上がるか下がるか関係なく、動きがあればアラートが発生してそのアラートを確認してから淡々と発注すれば利益が増えるからです。

私はこのポジティブガンマのデルタヘッジ戦略を9/27にエントリーして、9/27に1回アラートが来て発注、9/28に1回アラートがきて発注、9/28の夜間にアラートが来て発注、淡々と発注したことで現在含み益が17,000円を超えています。

スマホでアラームが来たら、発注するだけと非常に簡単な手法で、しかもオプション取引にありがちな「オペレーションを失敗すると損失が無限大に膨らむ」こととは無縁です。

実行してみて、非常に楽な取引だと感じるのは、3つの理由があるからです。

その3つの理由をこの記事では解説しますので、相場観を入れて勝つのは難しいと感じていたら、ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略のように裁量を排除したアラートに従う投資で利益を目指してみませんか。

【目次】

1.相場観不要、動くか動かないかを予想する

2.ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略とは

3.3日間で+17000円の含み益が出た私の取引事例

4.アラートは日経225ミニの約定通知が便利

5.上ひげ、下ひげが多ければ相場が凪でも狙える戦略

6.まとめ

 

1.相場観不要、動くか動かないかを予想する

相場の方向性を読むのは、難しいですよね。

当たれば苦労しないのですが、なかなかテクニカル分析を行ってもファンダメンタル分析を行っても、100%当たることばかりではありません。

現在の日経平均株価の状況は、安倍総理が3選しご祝儀相場のように株価が上昇していますので、いつ急落があるかと待ち構えているような状況です。

(画像は松井証券のスマートストック)

しかし、思いとは裏腹に相場は上昇一辺倒で、なかなか下落してくれません。これだけ上昇したら天井ももうすぐだと思うのですが、なかなか下落してくれずに上昇を続けています。

ボリンジャーバンドも2σを超えていますが、そのまま上昇しているような状況です。

ボリンジャーバンドは「バンドウォークする性質がある」と言われて、2σをタッチしたら下落すると決まっているわけではありませんが、そうは言っても現在の株価は高値圏にあり過熱水準だと思っています。

約27年ぶりの株高と新聞に書かれたら、すぐに調整局面がやってくると思えるのではないでしょうか。

下記がボリンジャーバンドの2σラインで、見るからに過熱圏に思えるのですが、果たしてこのチャートからではいつ下落するのかわかりません。

何か異変があれば急落することは間違いないと私は思っていますが、私の思いを無視するかのように株高が止まらない状況です。

相場の方向性を読むのが難しい理由

相場の方向性を読んで取引することが難しいのは、自らが市場参加者の大半と同じ予想をしているからです。

市場参加者が予想していない方向に株価が進み、望まない方向に株価が推移してしまうのが株式の常識なので、思った通りに株価が進んでくれないのでうまく勝てない人も多いことでしょう。

そこで、新しい発想として、自分で相場の方向性を予想しないでも利益を上げられる戦略に切り替えてみたらどうでしょうか?

相場が上昇するのか下落するのかは予測できないし、予測しても当たらない・・・。

であれば、相場の方向性を予想するのとは異なる利益の出し方を研究してみるわけです。

例えば、相場の方向性は読めなくても、これから相場が動きそうか、それとも動かなさそうか、相場の動きやすさくらいは読めると思えば、ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略を組むチャンスです。

ボリンジャーバンドの2σを超えてバンドウォークしていますので、このまま上昇一辺倒で上昇していく可能性はありますが、永遠と続く相場もありませんのでいつかは頭をもたげて、上昇トレンドが終焉するはずだと考えられます。

つまり今の水準にとどまるよりも、上昇するか下落するか、とにかく動きがありそうな気がする。

こんな上昇下落の相場観じゃなくて動くか動かないかの相場観を入れられるのが、オプション取引のメリットです。

そのオプション取引の中でも、ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略が案外気楽に始められるのでお勧めです。

そこで私はポジティブガンマのデルタヘッジを9/27の日中にP23375を110円で買ってスタートしました。

2.ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略とは

ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略は相場が上下して変動するたびに日経225ミニを売買して細かく利食いする戦略です。

このポジティブガンマのデルタヘッジ戦略は楽チンに取引できる3つのメリットがあります。

①ミニを売買するのは利食いなので精神的に楽

デルタヘッジでミニを取引するのは、利食い行為です。

利食いをし忘れるとどうなるかというと、もし相場がさらに続伸していった場合にはさらに大きな利益を得ることができます。

つまり利食いを忘れても大変なこと(資金が不足して退場するなど)にはならない安心感があります。

これは取引する個人投資家にとってはとてもメリットがあることです。

細かくデルタヘッジをしていくのが基本であっても、忘れたりヘッジできなかったりするときもあるでしょう。

その時に利益が減るのではなく、逆に利益が増えている可能性があるのです。

だからポジティブガンマのデルタヘッジ戦略は気分的に楽に取引ができます。

②デルタヘッジする水準が決まっているから楽

ではどのタイミングでデルタヘッジをすればよいか?

それは、決まっているルールはありませんのでご自身の好きなタイミングで行えばいいでしょう。

一般にはオプション料は時間とともに減っていきます。

この減っていくオプション料を補うタイミングでデルタヘッジをするのが基本です。

いくらオプション料が減っていくかは買っているオプションのギリシャ文字を見ればわかります。

ギリシャ文字さえわかればいくらでデルタヘッジをしたらいいかすぐにわかりますので、その価格に日経225ミニを指値注文しておけば完成です。

あとは日経平均先物価格が指値にヒットすれば、約定通知としてアラートがスマホに届きます。

届いたらまたデルタヘッジのために日経225ミニを指値注文すればOKです。

日経225ミニのデルタヘッジ注文をし忘れても、この戦略のヘッジし忘れは利益を伸ばす可能性がありますので、痛くありません。

もちろんデルタヘッジを入れていたほうが良かったタイミング、入れないほうが良かったタイミングはありますが、細かいことを気にしなければ非常に気軽に取引することができます。

③好きにデルタヘッジができるので楽

1日のオプション料の目減り分を回収したら、あとは好きなようにデルタヘッジしてOKです。

毎回ギリシャ文字見て明日の分のオプション料の目減りを回収しようとするのもいいし、あとは利益が伸びるまで相場を眺めておくのも良いでしょう。

この方針にルールはありませんので、お好きなようにミニを注文していれば問題ありません。

オプション取引の解説書には大引けでデルタを調整するように書かれていますので、大引けでデルタを合わせてデルタニュートラルにすれば、一日のオプション料の目減りを回収したうえに利食いを行い、また夜間取引でデルタヘッジを最初からできます。

ちょっとめんどくさくなってデルタヘッジをしなければどうなるでしょうか?

良く投資をするときにはエントリーしないときに限って相場が大きく動いて、いざ取引しようと思うと相場が急に凪になることはよくあります。

ですがこの取引の場合はデルタヘッジをせずに相場が急変したら大きな利益を得られる可能性がありますので、デルタヘッジをさぼっていたほうが逆に利益が大きくなる可能性を持っています。

「行って来い」の相場に最適な戦略がポジティブガンマのデルタヘッジ戦略

しかもデルタヘッジが1回入ったのちに相場が反転して元に戻った時のことを考えてみましょう。

1回デルタヘッジを入れたので1日分のオプション料の目減りは回収しています。

そのあとに株価が元に戻ったら、通常は行って来いで何もなかったことになるのですが、デルタヘッジをしておけば行ってチャリンと資金を回収し、戻ってチャリンと利益確定するので、何度も行って来いの相場が起きるとコツコツ利益が増えます。

1日のうちに500円上昇したけど、その後300円下げたような相場、というのはよくあるのではないでしょうか。

このようなタイミングでデルタヘッジを仕掛けておけば、500円上昇したときに利食い、300円下げて利食いができます。

私が取引したP23375は、1日のオプション料の目減りは初日160円でした。

なのでわずか160日動けばチャリンと利食い出来て、さらにそこから160円上昇しても、160円下落してもチャリンと利食い出来るポジションでした。

1回やれば、1日分のオプション料の目減りを回収できるので、1日1回の取引を目指して、万が一ヘッジし忘れて相場が急変しても大きな利益になる。

こんな取引がポジティブガンマのデルタヘッジ戦略です。

3.3日間で+17000円の含み益が出た私の取引事例

このポジティブガンマのデルタヘッジ戦略は、1日に1回約定すればオプション料の目減りを回収してくれるのでOKですが、約定しない場合もあります。

そのような時に備えて、日経225ミニの発注の有効期限を「週末まで」としています。

週末まで注文が有効になる証券会社は、松井証券、カブコム証券、SBI証券などがありますが、残念ながら楽天証券は「当日のみ」です。

私は楽天証券を昔から使っていて、ニュースを見る時やポジションをとるときは楽天証券を利用することが多いのですが、発注が「当日のみ」の点が残念です。

もっとも毎日デルタヘッジのタイミングを見直して、大引けでデルタを合わせて再発注するような厳密なデルタヘッジ戦略をとる場合には、毎日注文が消滅する「当日のみ」が良いでしょう。

デルタヘッジタイミング

私が行った取引のデルタヘッジタイミングは、下記のとおりです。

9/27の日中にP23375を110円で買って日経225ミニを2枚買うデルタヘッジポジションでスタートしました。

9/27の夜間に相場が上昇してミニを1枚決済しました。

翌日の9/28の日中にオプションのデルタが-0.2となるライン(日経平均先物価格が24,020円)で1枚デルタヘッジのために日経225ミニを買いました。

その日の夜間に相場が続伸して指値注文していた日経225ミニが24,270円で約定して決済しました。

オプション取引の教科書ではデルタヘッジは大引けでデルタニュートラルにするのが原則だと書かれていますが、私が投資したP23375はデルタが小さく、大引けでデルタヘッジできるタイミングがありませんでしたので、指値注文が約定されるまではほったらかしにしています。

その後はヘッジが入らずほったらかしにしていますが、チャートを見ると相場は上下に変動しているので、この変動を利益にするためデルタヘッジをして細かく利食いしたいところでした。

例えばP23375を1枚ではなく最初から2枚以上の複数枚にしてデルタヘッジをすれば、合計のデルタが大きくなるために細かくデルタヘッジができたはずです。

このように大きく動いたときはデルタヘッジが発動しやすいチャンスです。

私がエントリーの時に選択したP23375は当初のデルタがすでに-0.24と小さく当初の日経225ミニの枚数は2枚だけでした。

相場の上昇でミニを売っていくとすぐミニが無くなってしまうので、ミニが1枚となったらただ相場が上昇してくのを見ているだけです。

現在の私の建玉の様子です。

日経225ミニが1枚だけ残っています。

含み損は23,780円ですが、合計の損益は、日経225ミニの利食い分が+16000円と+25000円ありますので、合計+17000円です。

9/27にエントリーをして現在10/2で含み益が+17000円、使っている資金が当初のP23375を買った110円なので実質の支払いは11万円です。

最大損失額は、ポジティブガンマのデルタヘッジ戦略の最大損失額の求め方と取引事例で求めたように19.4万円なので、この19.4万円が実現損とならないようにデルタヘッジでミニの利食いを繰り返していくことになります。

4.アラートは日経225ミニの約定通知が便利

私はこのデルタヘッジ戦略を松井証券で取引しています。

スマホのアプリを入れておけば約定時に約定通知がアプリのプッシュ通知で来ますので、約定通知が来たらアプリを起動して、日経225ミニの売買注文を出すだけです。

今まで1日に1回程度しか来ていませんので、非常にゆったりと取引できています。

これが個人投資家でも楽にオプション取引できるデルタヘッジ戦略のポイントです。

仕事中にスマホを見れなくても、トイレに入っている瞬間に日経225ミニの約定通知が来ても、瞬時に対応できません。

それでも、損失が膨らむことはありません。利益を取り損なうか、あるいはもっと利益を伸ばすかどちらかなので非常にやりやすい戦略です。

そして、約定通知が来たら下記のように指値をして待ちます。

赤枠で囲んだ注文がデルタヘッジの指値注文です。

有効期限を週末までに設定しているので、今日値動きがなくても、夜間や明日に値動きがあれば約定してくれます。

私のポジションのミニの枚数は1枚保有しているだけなので、上昇方向のミニ売りはありません。

注文は相場下落に備えて、デルタが0.2、デルタが0.3付近を狙って指値注文しているのが上図の指値注文です。

上昇方向はミニ1枚の利益をどれだけ伸ばしてくれるかを見守るだけなのでそのまま放置しています。

このようにあらかじめデルタヘッジの日経225ミニを指値注文で待てるので、チャートとにらめっこしなくても全く問題ありません。

スマホの約定通知を待つだけです。

デルタヘッジポジションが約定すればまた新たな日経225ミニの指値注文をして待ちます。

次のデルタヘッジ注文を出す際に、慣れていないと発注がもたつくこともあるでしょう。

ですがもたついている間に相場が急変してくれたほうが利益を増やせる可能性があるので、案外焦らずに次の注文を出すことができるのがメリットです。

5.上ひげ、下ひげが多ければ相場が凪でも狙える戦略

日足で見るとわかりにくても、上ひげや下ひげが繰り返し出ている日はデルタヘッジが一日に何回も入るタイミングがあるので、お勧めです。

直近の相場でも、陽線が続いているのですが、ひげが所々にありますので、1日の中では値動きが上下に振れていることが分かります。

このような相場で仕掛けるのが非常に効果的です。

なお、日々チャリンチャリンと細かく利益を積み上げるのが面倒な人は向いてません。

この戦略は、日々アラートが来てチャリンチャリン利益が増えていくのを喜べる人に向いています。

ほったらかしにしてSQ通過まで何もしないほうが好みの人には向いていないでしょう。

オプション取引にはいろんな投資スタイルがあるので、好みに合った戦略を選べばいいでしょう。

6.まとめ

1日のオプション料の減価を計算してデルタヘッジをするポジティブガンマのデルタヘッジ戦略なら、大きく動けば勝てるし相場が行って来いでも勝てる戦略です。

相場の方向性に賭けなくも収益をあげられるチャンスがあり、しかも日経225ミニの約定通知をアラートとしてミニを追加していけばいいので相場に張り付く必要がなくて楽チン。

ミニの約定通知が来るたびに利食いが完了しているので、アラートが来れば来るほど利食いができているので精神的にも楽です。

 

 

 

 

※当ブログは筆者の個人的な見解を示すものにすぎません。掲載しているデータの収集とその分析についても、筆者の個人的な視点に基づく分析であり、その有効性を保証するものではありません。解説においては、筆者の独自の視点で学習目的のために事例を簡略化している場合があるため、資料の中で紹介される事例は実際の相場とは異なる場合があります。取引事例についても、完全に再現しているものではなく、かつ、その有効性を担保するものではありません。また、本資料に含まれる記述や情報については十分精査しておりますが、その内容に関して筆者は一切責任を負いません。

※当ブログは過去の市場分析と戦略案を検討するものでありますが、取り上げている投資戦略についてはシミュレーション上のものであり、確実にそのような結果が出ることを示すものではありません。また、相場状況によっては損失が出ていた可能性も十分にあり得ます。当該シミュレーション結果が解説の中で説明した戦略の優位性や利益を保証するものではありません。よって、その内容を将来に当てはめて利益が出ることを保証するものではありません。投資手法の有効性などにつきましては、読者の皆様において十分に内容をご精査いただき、商品の特性、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分にご理解いただいたうえで、ご自身の投資判断と責任でお取引いただくようお願いします。

※株式取引(米国株式)、オプション取引(米国株オプション取引)においては、株式相場、為替相場の変動等によって損失が生じるおそれがあります。お取引に際しては、あらかじめお取引先の金融商品取引業者等より交付される契約締結前交付書面等を十分にお読みいただき、商品の性質、取引の仕組み、リスクの存在、手数料等を十分に御理解いただいたうえで、御自身の判断と責任でお取引いただきますようお願い申し上げます。
 

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