マーケットカメレオンを使ったロングストラドルで900ドル超の利益が出た事例

マーケットカメレオンという、米国株や米国株オプションの分析をするツールを利用して、様々な戦略を分析することができます。

今回は決算に絡んで株価が大きく下落した際にロングストラドルを仕掛けてうまく利益につなげた事例を取り上げます。

SE株でロングストラドルを仕掛ける

マーケットカメレオンで銘柄をスクリーニングを行うと、SEというシンボル名の企業があります。

5月16日決算の企業です。株価チャートがこちらです。

チャートの中で「E」と書かれた場所が決算発表です。

今回の5月16日の決算発表で大きく値下がりしました。

チャートを見てわかるように、決算発表の前後で大きな上下変動があるように見えます。

必ず急落するわけではなく、ある時には急落、別の時には急騰ということで、規則性が無いですが決算期に大きく動く特徴がある銘柄ではないかと推測できます。

そこで実際に具体的な数値でデータを分析します。

過去の決算発表時の株価推移の分析

決算の1日前にエントリーして、決算の2日後にクローズした時の株価の変動率を見てみます。

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今回成功した事例は20パーセント下落で、前の決算時は18パーセント上昇しました。

同じように見ていくと前々回は30パーセント近く上昇し、その前が22パーセント下落と、決算でかなり変動する銘柄ということが分かります。

このように上に行くか下に行くか全くわからないときに有効なオプション戦略があります。

それがロングストラドルという、プットとコールを両方買って相場がどちらかに大きく動くことを利益に変える戦略です。

ロングストラドルのポジション組成事例

マーケットカメレオンの分析では、決算日の前日にエントリーして、決算日をまたいで2日後に手仕舞いすると勝率が高いようです。

この企業の決算日が5月16日ですから、前日の5月15日にロングストラドルを組みました。

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決算日をまたいだ2日後に手仕舞いするため、満期は5月19日のオプションを選択します。

ロングストラドルは、アットザマネーのプットオプションとアットザマネーのコールオプションを両方買って相場変動で利益を取る作戦です。

この日の株価が88.02ドルだったので、P88とC88を両方買います。

P88は4.25ドル程度で買い、C88は4.40ドルで買います。

これが有名なロングストラドル戦略で、V字の損益グラフが出来上がり、上がっても下がっても利益になる戦略です。

ポジションを建てたときの支払が865ドルの支払いです。

現在の株価は88ドルなので、10パーセント動けばプラマイゼロに持ち込めると予想できます。

過去の分析で15.1パーセント動く期待ができる銘柄で、10パーセント動けば利益になる戦略を実行するわけです。

ただし、株価が動かなかった時は利益になりません。

実際に過去には2.7パーセントしか動かなかった時もあります。

でも凄く動いた時は30.9パーセントもあるわけなので、どちらを取るかです。

今回のSE株は、過去の変動額を見て15.1パーセント上下に動く期待があるのならば、少なくとも88ドル×15.1パーセント=13ドルぐらい動くだろうという予想が立ちます。

結果は900ドルを超える利益

この銘柄はマーケットカメレオンで分析によると、決算の1日前にエントリーして、決算の2日後に手仕舞いするルールでした。

今回の決算の5月16日は、株価が70.16ドルにまで下げました。

エントリー時から考えると、大体18ドル程度の下落です。

よって、組んだ時8.65ドル支払ったプレミアムが17.905まで上がり、大きな利益になりました。

米国株オプションは1単位あたり100株相当なので、おおよそ900ドル程度の利益です。

なかなか上がるか下がるかを予想するのは難しいのですが、上がっても下がっても、とにかくどちらかに大きく動けばいい。

そのような場合に有効なのがこのロングストラドル戦略です。

5月18日の終値が70.16ドルなので、イメージは下図の丸い点の位置まで下がったイメージです。

充分下落の距離が出て利益につながりました。

オプション使うと、こういう戦い方もできるという 面白い事例です。

相場が動かなかった時の想定損失額は433ドル

もちろんいつも勝てるわけではなく、株価がエントリーした88ドルから動かなければ負けます。

最大損失は8.65ドル×100倍=865ドルです。

ただ、過去の統計で見て平均で15パーセント動く傾向があるのであれば、こういう銘柄をチョイスしてみるのも面白いと感じるのではないでしょうか。

相場予想は価格に織り込まれているか否か

もちろん相場が動くという期待があれば、それだけの値付けされてるはずだという考え方もあります。

買い手と売り手のバランスの中で、その時の相場勘では、期待値は±0になるはずだという考えです。

ですが、実際にのその予想を上回るような動きが出るということも当然あります。

今回がまさに予想を上回る動きでした。

織り込めてない情報や、織り込めてない事情が出てくることが充分ありますので、このようなポジションを取ってみるのも、1つのやり方として有効ではないでしょうか。

満期前に手仕舞いすれば最大損失は減る

ちなみに手仕舞いまで全く動かなかった場合でも、最大損失の865ドルまでは失いません。


オプションの満期である5月19日までは保有しないので、満額の損失にはなりません。

手仕舞い時の5月18日時点での損失はインプライドボラティリティ(IV)に変化が無ければ433ドル程度です。

しかしこの銘柄は決算通過でIVが大きく下落するので、ベガが小さいとはいえ相場が動かなければ満期損益グラフ満額の損失に近い結果となることが予想されます。IVが大幅に低下した場合の影響も無視できません。

株価が思ったより動かなくても、どちらかに多少でも動いてれば少しは資金を回収できるので、15パーセントぐらいは変動するだろうという予想に対するリターンと 、全く動かなかった時どれぐらい損するかというバランスを見て手掛けてみるのはいかがでしょうか。

まとめ

マーケットカメレオンを使うと、様々な過去の戦略のバックテストができて、今回のような決算期に絡んだ戦略を抽出してくれる機能もあります。

こういった使い方を発信していきますので、ツールをうまく利用して投資判断等に活かしていただけたらと思います。