この記事では、日経225オプション取引のやり方についてお伝えしていきます。
初心者の方にとっては、最初は難解に感じるかもしれませんが、なるべくわかりやすく説明していきます。
オプションを理解するポイントは、横軸を株価に、縦軸を損益に取った「損益グラフ」をイメージすることです。
ぜひ最後まで諦めずについてきてください。
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オプションの概要
オプションにはコールオプションとプットオプションがあります。
まず最初に、日経平均株価と比較したコールオプションとプットオプションの値動きを説明します。
コールオプションの値動き
コールオプションは短期的には日経平均株価と同じ方向に連動します。
日経平均株価が上昇すればコールオプションの価格は上昇し、日経平均株価が下落すればコールオプションの価格は下落します。
ある日の株価推移とコールオプション価格の推移のイメージです。
短期的には日経平均株価に連動してオプション価格も変動しますが、時間による価値の低下などオプション独自の特性があり、満期間際や数日保有した場合はオプションの性質が出てくるので必ずしも連動するわけではない点にご注意ください。
コールオプションのルールは、満期において日経平均株価が決められた価格以上の部分を金銭でやりとりする仕組みです。
決められた価格のことを権利行使価格と言い、満期のSQ値との差によって受取額が異なります。
権利行使価格が29,000円の場合は、満期の時点で日経平均株価が上昇すればするほど金銭の受け渡し額が大きくなりますが、日経平均株価が29,000円以下の場合には金銭の受け渡しが発生しません。
満期時点での日経平均株価とコールオプションの受け渡し額の関係は以下の表となります。
満期の株価 | コールオプションの 受け渡し額 |
---|---|
28,800円 | 0円 |
28,900円 | 0円 |
29,000円 | 0円 |
29,100円 | +100円 |
29,200円 | +200円 |
株価を横軸に取り、受け渡し額を縦軸に取ると図のような関係になります。
プットオプションの値動き
プットオプションはコールオプションとは逆に、短期的には日経平均株価とは逆方向に連動します。
日経平均株価が上昇すればプットオプションの価格は下落し、日経平均株価が下落すればプットオプションの価格は上昇します。
ある日の株価推移とプットオプション価格の推移のイメージです。
プットオプションもコールオプション同様に、短期的には日経平均株価に連動してオプション価格も変動しますが時間による価値の低下など、オプション独自の特性がありますので必ずしも一致するわけではありません。
プットオプションのルールは、満期において日経平均株価が決められた価格以下の部分を金銭でやりとりする仕組みです。
決められた価格のことを権利行使価格と言い、満期のSQ値との差によって受取額が異なります。
権利行使価格が29,000円の場合は、満期の時点で日経平均株価が下落すればするほど金銭の受け渡し額が大きくなりますが、日経平均株価が29,000円以上の場合には金銭の受け渡しが発生しません。
満期時点での日経平均株価とプットオプションの受け渡し額の関係は以下の表となります。
満期の株価 | プットオプションの 受け渡し額 |
---|---|
28,800円 | +200円 |
28,900円 | +100円 |
29,000円 | 0円 |
29,100円 | 0円 |
29,200円 | 0円 |
株価を横軸に取り、受け渡し額を縦軸に取ると図のような関係になります。
オプション取引の種類
上記では、コールオプションとプットオプションの仕組みを説明しました。
オプション取引では、「買い」と「売り」に分かれて、以下の4種類の取引の方法があります。
- コールオプションの買い
- コールオプションの売り
- プットオプションの買い
- プットオプションの売り
①コールオプション買いの損益の出方
株価がこれから上昇すると予測して、株価が29,000円の時に※プレミアムを支払いコールオプションを買ったとしましょう。
オプションは株と連動した値動きをして、満期に株価が29,200円になった場合には、上昇分からプレミアムを引いた分の利益を得ることができます。
しかし、通常の株取引とは違い、もし28,500円になったとしても、損失はプレミアム分のみに限定されます。
プレミアムとは、株を29,000円で買える権利に対して支払った金額のことです。株価とは別の値付けがされて取引されます。今回の事例は100円で取引されていると想定します。
ではこのコールオプションが満期の株価によってどのように損益が変わるか損益グラフを用いて確認しましょう。
損益グラフとは、ある時点での株価と損益の関係を示すグラフです。横軸に株価、縦軸に損益を表しています。
- 満期に株価が29,000円以下:プレミアム分が損失。損益は-100円
- 満期に株価が29,010円:プレミアム分が損失で10円株価が値上がり。損益は-100+10=-90円
- 満期に株価が29,100円:プレミアム分が損失で100円株価が値上がり。損益は-100+100=±0円
- 満期に株価が29,200円:プレミアム分が損失で200円株価が値上がり。損益は-100+200=+100円
- 満期に株価が29,200円以上:プレミアム分が損失で株価が上昇。損益は(株価上昇額-プレミアム分)の差額
この株価と損益の関係を表にまとめると次のようになります。
満期の株価 | 満益の損益 |
---|---|
28,800円 | -100円 |
| | | |
28,990円 | -100円 |
29,000円 | -100円 |
29,010円 | -90円 |
| | | |
29,090円 | -10円 |
29,100円 | ±0円 |
29,110円 | +10円 |
| | | |
29,190円 | +90円 |
29,200円 | +100円 |
29,210円 | +110円 |
29,220円 | +120円 |
以上を整理して損益グラフ化すると下図の赤い線が描けます。
満期に株価が29,000円以下の場合は、どれだけ値下がりしても最大損失額はプレミアム分の-100円だけです。
一方で株価が29,100円を超えて上昇した場合には、上昇の分だけ利益が増える特徴があります。
ではコールオプションと日経平均株価との損益グラフの違いを確認してみましょう。
日経平均先物を29,000円で購入後、満期における損益を表にすると以下のようになります。
満期の株価 | 満期の利益 |
---|---|
28,800円 | -200円 |
28,900円 | -100円 |
29,000円 | ±0円 |
29,100円 | +100円 |
29,200円 | +200円 |
株価と損益の関係を整理して損益グラフで示すと下図の青いラインが描けます。
先ほどのコールオプション買いの損益グラフと比較してみると、株に対してコールオプションは支払ったプレミアム分だけ利益が減りますが、損失が限定されていることが分かります。
②コールオプション売りの損益の出方
コールオプション売りは、先ほどのコールオプション買いに対して、正反対の値動きをします。
コールオプション売りは利益は限定的ですが、損失は限定されておらず、株価が上昇すればするほど損失が膨らみます。
先ほど同様に満期における株価と損益の関係を示します。
満期の株価 | 満期の損益 |
---|---|
28,800円 | +100円 |
| | | |
28,990円 | +100円 |
29,000円 | +100円 |
29,010円 | +90円 |
| | | |
29,090円 | +10円 |
29,100円 | ±0円 |
29,110円 | -10円 |
| | | |
29,190円 | -90円 |
29,200円 | -100円 |
29,210円 | -110円 |
29,220円 | -120円 |
以上を整理してグラフ化すると下図の赤い線が描けます。
先ほどのコールオプション買いに対して、上下反転した損益グラフです。
③プットオプション買いの損益の出方
プットオプションは先度見たように、日経平均株価と逆相関です。
満期に株価が28,800円になった場合には、株価の下落分から支払いプレミアムを引いた額が利益となります。
しかし、もし株価が29,500円に値上がりしても、損失は当初支払ったプレミアム分のみに限定されています。
このように、コールオプションとは反対に株価が下落するほどプレミアムが上昇するのがプットオプションであり、満期時点の株価によって利益額が異なります。
満期の株価 | 満期の損益 |
---|---|
29,780円 | +120円 |
28,790円 | +110円 |
28,800円 | +100円 |
28,810円 | +90円 |
| | | |
28,890円 | +10円 |
28,900円 | ±0円 |
28,910円 | -10円 |
| | | |
28,990円 | -90円 |
29,000円 | -100円 |
29,100円 | -100円 |
| | | |
29,200円 | -100円 |
以上を整理してグラフ化すると下図の赤い線が描けます。
④プットオプション売りの損益の出方
続いてはプットオプション売りです。
プットオプション売りは、先ほどのプットオプション買いの相手方であり、正反対の値動きをしますが、損失限定ではなく株価が下落すればするほど損失が膨らみます。
プットオプション買いではプレミアムを支払いましたが、プットオプション売りはプレミアムを受け取ることから始まります。
満期の株価 | 満期の損益 |
---|---|
28,780円 | -120円 |
28,790円 | -110円 |
28,800円 | -100円 |
28,810円 | -90円 |
| | | |
28,890円 | -10円 |
28,900円 | ±0円 |
28,910円 | +10円 |
| | | |
28,990円 | +90円 |
29,000円 | +100円 |
29,010円 | +100円 |
| | | |
29,200円 | +100円 |
以上を整理してグラフ化すると下図の赤い線が描けます。
まとめ
オプション取引の4つの基本的な取引における損益の出方を損益グラフを用いて解説しました。
株価が上昇すると価値が上がるコールオプションに対して、株価が下落すると価値が上がるプットオプションがあり、それぞれに「買い」と「売り」があります。
この4種類の取引を組み合わせることで多種多様なオプション戦略を作ることができます。
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